ギア雲台 「最後のひと締め問題」から解放された比呂池

フォトグラファー 池戸比呂志

2019年03月30日 20:20

2019年 3月30日

よく使われている雲台には「自由雲台」「3Way雲台」がありますが、たぶん一般の皆さんが一生使うことのない雲台が、今回ご紹介する「ギア雲台」です。


マンフロット 410 ギア付きジュニア雲台


通常、三脚を使って商品撮影をする時は、上下・左右・水平を独立して調整できる「3Way雲台」が便利です。

通常は被写体に対して水平になるようカメラをセットします。
比呂池のカメラは、水平だと緑ライン、水平でないと赤ラインが表示されます。


パン棒を緩め、カメラを振り、緑ラインが表示されたのを確認して、カメラを固定するためパン棒を回し、最後のひと締めをした瞬間、緑ラインが赤ラインに変わる・・・


雲台の精度が十分でないこと、ネジで締め上げる構造のため、いたしかたのないことです。

雲台のクセを把握し、少し傾いた状態でパン棒を回し、最後のひと締めで、水平にもってくるという神業を習得している比呂池ですが、調子が悪い時は水平が決まらず、撮影テンポにも影響します。

また、水平だけでなく被写体の上下の空間を調整する時にも、(特に重量のある望遠レンズを使っている時に)同様の神業を駆使しなければなりません。

この「最後のひと締め問題」は、関係者は気づいていたにもかかわらず、業界のタブーになっていたのかもしれません。

最後のひと締めをすると、雲台の構造上、それまで狙っていたアングルからわずかにズレます。あらかじめズレを見越し、ズレの逆方向にアングルを合わせ、最後のひと締めで狙ったアングルにもってくる神業を、あなたも習得しましょう。

良心的なメーカーであれば取扱説明書にはこの一文がほしいものです。



話を「ギア雲台」に戻しましょう。


構造は3Way雲台と同じで、上下・左右・水平をノブを回し調整します。
操作するノブ◯と移動方向を←→を同じ色で表示しました。
(が、よけいにわかりずらい・・・・)



丸ノブの内側についている星型ノブ(手裏剣みたい)を右に回すと、固定されていたギアが外れ、自由に動きます。(粗動)
この状態で、おおまかなアングルを決めます。

パン棒を大きく緩めるとカメラがカックンすると同様で、カメラを保持しながらの操作が必要です。

指を離すとバネで星型ノブ(手裏剣みたい)が戻り、固定されます。




丸ノブを左・右に回し続けると、少しずつ角度が変わり微調整ができます。(微動)
ギアがかみ合っているので、カメラはカックンせず、そのままの状態を保持します。


3Way雲台のようにパン棒で締める構造でないため、「最後のひと締め問題」が生じない訳です。


習得した神業を駆使できない多少のものたりなさがありますが、「最後のひと締め問題」から解放され、微妙なアングルがスーッと決まるので かなり快感〜です。




クイックシュープレートは、この製品と上位機種の専用となっています。 MADE IN ITALY の刻印が・・・


「自由雲台」「3Way雲台」「ギア雲台」
どの雲台がいいのかではなく、目的により使い分けることが重要です。
しかし「ギア雲台」は、最初の1台めに購入する雲台ではありません。

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